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2022.01.13 新着情報

宮大工になるには資格が必要? 仕事内容や年収も紹介

宮大工になるには資格が必要? 仕事内容や年収も紹介

宮大工は通常の大工とは異なり、神社や仏閣といった歴史的建造物の建築や修繕がおもな仕事です。そのため、歴史好き、仏閣好きな人にとっては、最適な職業といえるでしょう。

しかし、通常の大工ならいざ知らず、宮大工になるためにはどうしたらよいのか分からない人も多いかもしれません。そこで今回は、宮大工になるための資格や仕事内容、年収などを紹介します。宮大工に興味がある方は必見です。

宮大工の仕事内容

宮大工がどのような職業なのか、仕事内容や年収、一般的な大工との違いを解説します。

 宮大工とはどんな仕事なのか 

宮大工の仕事は、神社や仏閣の建築と修繕がメインです。ただし、住宅など一般建築物に携わる場合もあります。

宮大工の大きな特徴が、木組みによる建築技法を用いることで、神社や仏閣の建築や修繕を行う点です。古い日本の建築物はおもに木組みによって建築されていましたが、手間と時間がかかるため用いられることは少なくなりました。

現在では、重要文化財である神社や仏閣、城などが木組みによって作られることが一般的です。一般的な建築技法の場合、釘などによって木材に大きな負荷がかかります。しかし、木組みを用いることで木材にかかる負荷が抑えられるため、建築物を長期間存続させることが可能になるのです。

また、木造建築物は定期的なメンテナンスが必要なため、宮大工が在籍する工務店が承るケースが一般的でしょう。

 宮大工の年収は? 

宮大工の年収は、見習いの場合で250万~350万円程度が相場といわれています。ただし、一人前の職人になると600万円程度で、中には年収1,000万円を超える宮大工もいるため、技術と経験によって大きく変動するものだといえるでしょう。

宮大工の仕事は一部の工務店に依頼されるケースが多く、独立開業して仕事を得るのは難しい状況です。また、神社や仏閣の建築や改修はそれほど頻繁に発生するわけではないので、一般の建築物に関する依頼を受けざるを得ない部分もあります。

 一般的な大工との違いとは 

宮大工と一般的な大工の違いは、大きく2点あります。

1つ目は木組みによる伝統技法を用い、手加工で継手や仕口を適材適所に配置する点です。宮大工の基本的な建築技法は、一般的な大工と大きな違いはありません。しかし、木組みを中心とした木造建築に関する高い専門知識とスキルが、宮大工には求められます。精巧な建築物が多く、かなり細かい作業が要求されるため、高いスキルだけでなく、集中力も必要です。

2つ目の違いは、建築の知識に加え、宗教学や歴史、そして物理学に関する知見が必要な点です。木造建築では、木材同士の力のかかり具合を計算して設計する必要があるため、正確な図面を引ける能力が要求されます。

そのため、宮大工は一人前になるまでに、10年以上かかることも珍しくありません。

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宮大工になるために必要な資格

宮大工になるために、特別な資格は必要ありません。しかし、持っていると有利な資格はあるので、代表的なものを3つ紹介します。

  二級建築士    

二級建築士とは、国土交通省が管轄している管理・監督者向けの国家資格です。二級建築士の資格を有することで、中規模程度の建築物に関する設計・管理の仕事に従事できます。

二級建築士の試験内容は以下の通りです。

試験の区分 出題形式 出題科目 出題数 試験時間
学科試験 五肢択一式 学科Ⅰ(建築計画) 25問 計3時間
学科Ⅱ(建築法規) 25問
学科Ⅲ(建築構造) 25問 計3時間
学科Ⅳ(建築施工) 25問
設計製図試験 あらかじめ公表する課題の建築物につい
ての設計図書の作成
設計製図 25問 5時間

二級建築士の合格率は学科試験が40%程度、設計製図試験が50%程度といわれています。なお、設計製図試験を受けるためには、学科試験のクリアが条件です。

参考:建築技術教育普及センター/二級建築士試験

 木造建築士 

木造建築士も国土交通省が管轄している、2階建て以下・延べ床面積300平方メートル以下の木造建築物の設計や工事管理に従事できる国家資格です。なお、木造建築士試験の試験内容は、先ほど紹介した二級建築士と同じものになります。

木造建築士の合格率は学科試験が50%程度、設計製図試験が65%程度です。

参考:建築技術教育普及センター/木造建築士試験

 建築大工技能士 

建築大工技能士とは、木造建築に必要な技術を認定する国家資格です。各都道府県の職業開発能力協会が開催する技能試験に合格することで、資格が得られます。建築大工技能士には1~3級まであり、特に1級は木造建築のスペシャリストとしての高い技術や神社、仏閣についての知識などが必要です。

建築大工技能士3級の試験には実務経験が不要ですが、1級と2級は学歴などに応じて必要な実務経験が設定されています。ちなみに、1級で実務経験だけの場合は7年、2級合格後2年、3級合格後4年が条件です。合格率は各都道府県の職業開発能力協会によって異なりますが、1級の場合は30%程度といわれています。

建築大工技能士1級の試験内容は以下の通りです。

〈 学科試験 〉

試験科目 出題範囲
建築構造 木造建築物の種類、特徴
木造建築物の構造、造作
木造建築物以外の建築物の種類、特徴
構造力学に関する基礎理論
神社、仏閣など、特殊な木造建築物の様式、特徴
規矩術 規矩術の基本
さしがねの使用方法
隅の軒回り、四方転びと木割り
施工法 木工事施工用の機械、器工具の種類、使用方法
木造建築工事の施工方法
仮設工事の施工方法
水盛、やりかた、墨出しの方法
基礎工事の施工方法
木工事の施工方法
木工事の種類
木造建築物の養生、補修方法
材料 建築用材料の種類、規格、性質、用途
製図 木造建築物における施工図の作成方法
関係法規 建築基準法関係法令(木造建築物のみ)
安全衛生 安全衛生の詳細な知識


〈 実技試験 〉

試験科目 出題範囲
大工工事作業 水盛、やりかた、墨出し
  木工事の施工
  矩計の製作
  積算、見積り

宮大工に向いている人の特徴

特殊なスキルが必要な宮大工は、以下のような特徴のある人が向いているでしょう。

歴史や古い建築物が好き】

宮大工が仕事で扱うのは古い寺院や仏閣が中心となるため、歴史や古い建築物が好きな人には最適な仕事です。歴史的建築物を後世に長く残したいという強い情熱を持っている人には、宮大工の仕事は非常にやりがいがあるでしょう。また、仕事を進めるうえで、歴史に関する知識が必要になるケースもあるので、自身の知見を深められる機会も多いと思われます。

細かい作業が得意

宮大工で扱う神社や仏閣には、細かい装飾や複雑な建築技法が使われているものがたくさんあります。そのため、宮大工は細かい作業が得意な人に向いている職業です。

また、宮大工が彫り物の際に使う道具も、一般の大工のものとは異なる細かい作業に特化した道具になるため、適切に扱えるスキルも必要となります。細かい作業を高レベルで実施できるスキルを身につけなくてはいけないので、かなりの修練が必要でしょう。

宮大工になる方法

宮大工を実際に目指す場合、具体的にどうすればよいのか、高卒、大卒、現役大工、それぞれのケースで宮大工になる方法を紹介します。

高校卒業後、すぐに宮大工になるには?】

高校の卒業後、宮大工になる場合は、学校から宮大工専門の工務店をあっせんしてもらい、就職することが一般的です。その後、工務店の棟梁について、スキルと経験を積み重ねながら宮大工としてのキャリアアップを目指します。

また、高校卒業後、建築系の専門学校へ入学してスキルや資格を身につけた後、宮大工専門の工務店へ就職することもひとつの方法でしょう。

大学卒業後に宮大工になるには?】

大学の建築学科で知識と実務経験を学んだ後、宮大工専門の工務店へ就職することが宮大工になる一般的な方法です。ただし、大学が建築関連ではなかった場合、自身で建築の勉強をする必要があります。また、大工としてのスキルも身につけなくてはいけないので、専門学校などに通って習う必要があるでしょう。

大工から宮大工になるには?

現在、大工として働いている人が宮大工を目指す場合は、宮大工専門の工務店へ転職する必要があります。大工としての基礎的なスキルは一通り身についているため、宮大工ならではのスキルを身につけるだけでよいので、比較的スムーズに転職できるでしょう。

大工は先輩の技術を見て自分のものにする職人的な世界なので、実務経験を積みながらレベルアップして一人前の宮大工を目指すことになります。

宮大工になるには専門学校という選択肢もある

宮大工は木組みによる建築技法を用いて、神社や仏閣の建築や修繕を行う職業です。歴史的な建築物を後世に残したいという情熱を持つ人には最適でしょう。

ただし、一般的な大工に比べ細かい作業が要求される点や、歴史的な知見が必要になるなど、宮大工になるためには多くの努力が必要です。木造建築に関する知識は独学でもある程度は進められますが、実技はそうはいきません。そのため、確かな技術を持つ専門家の下で、実務経験を積みながらスキルアップすることが求められます。

それらの技能をしっかり習得できる学校が、伝統文化と環境福祉の専門学校SADO」です。神社267社、寺院281寺、36もの能舞台、古民家など、歴史ある建築物や文化財が現存する新潟県佐渡島の専門学校SADOでは、本物の社寺建築を修復・再建する実習が受けられます

SADOの伝統建築学科、伝統建築コースは3年制と4年制があり、卒業後0年で二級建築士を受験することが可能です。また、SADOは建築士受験資格認定校のため、他の専門学校と同様の資格も付与され、就職の選択肢も広がるでしょう。

恵まれた環境下で、「徹底的な現場第一主義」で学べるSADOは、国家資格「二級・三級 建築大工技能士」が取得できる点もメリットです。2020年度の合格実績は二級が87 %(新潟県平均40%)、三級は100 %という高い実績を誇ります。

本記事を読んで宮大工への興味が沸いた人は、ぜひSADOを選択肢のひとつとしてご検討ください。

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