今回は、
裏面で占いもできる?!「さしがね(指矩)」をご紹介!
さしがね(指矩)

材木などの長さや、角度を測る際に使用する「さしがね(指矩)」。他にも、「差金」「指金」「曲尺(かねじゃく)」など、その字や呼び名はさまざま。
L字型をしており、長い方を「長手」、短い方を「短手」といいます。
一見、普通の定規のようにも見えますが、実は大工さんが使いやすいよう考え抜かれた伝統ある道具なのです!
さしがねを使った伝統の技「規矩術(きくじゅつ)」
指矩は大工さんの計算機とよばれ、使いこなすためには「規矩術(きくじゅつ)」を学ぶ必要があります。江戸時代に理論化された計算方法ですが、古代にはすでに存在していたとか。
大工さんの経験から生まれ、代々受け継がれてきた秘伝の技!
縦・横・斜めと複雑に組み合う伝統建築物の接続部分は、三角関数や微積分など、さまざまな数学分野が応用されています。それらを「規矩術(きくじゅつ)」で割り出し、伝統建築ならではの美しい曲線美を作っていくのです。
実はよく曲がる!
ステンレスや、5円玉と同じ真鍮で作られることが多い「さしがね(指矩)」。
実はその見かけによらず良く曲がります! そのため、曲線を引くときにも使われますよ。
もちろん曲げすぎは禁物! 歪んでしまうこともありますから、扱いには注意が必要です。
裏面では占いも?!
「さしがね(指矩)」の裏面には、表目1尺2寸の長さを8等分し「財・病・離・義・管・劫・害・吉」の8文字が書かれているものもあります。
これは「唐尺」といって、唐時代の中国で使われていた測定方法のひとつ。この唐尺で測った寸法は「吉寸(運の良い寸法)」と「凶寸(運の悪い寸法)」の二種類に分けることができ、それぞれに細かな意味もあります!
例えば……、
「財」には「棟木・大黒柱の寸法に吉、仕合わせ良く財宝を得る吉」という意味があり、これを日本の伝統建築物においては、「大黒柱(建築物の中心部にあり、建物を支える太い柱)」の寸法に用いて験を担ぐなんてことがあるそうです!
計算から占いまで、まさに縁の下の力持ち的存在である「さしがね(指矩)」。とても奥が深い道具でしたね!
次回は……
次回の「大工道具を知ろう!」では、これがないとはじまらない!
のこぎり(鋸)についてお話ししていきます。

お楽しみに!(・ω・)/
大工道具を知ろう!まとめ

