本格的な社殿制作中
本校の3年生は、授業のなんと9割が実習!
以前ご紹介したとおり、「社殿制作」と「本物の寺院修復」の二手に分かれて前期の授業に取り組んでいます。
今回は、そんな3年生が制作している神社「一間社流造(いっけんしゃながれつくり)」の制作過程をご紹介します(・ω・)/
これまでの一間社流造
図面を書き、型を造る
まずは図面を書き、それから型板を制作します。
現在の宮大工さんの多くは、実存している神社や寺院などの修復や再建を行なう場合が多いです。
その場合、建設時に制作された型板がありますからそれを用いて作業に取り掛かります。
ですが、このように一から新しい社殿の制作には型板の新調が必須。
実際の現場ではなかなか体験することのできない、なかなかレアな工程です。
柱を造る
皆さんは神社の柱をじっくり見たことはありますか?
よく見ると、綺麗な円柱になっている場合が多いです。(四角柱の場合もあります)
3年生が制作中の社殿の柱も、もちろん円柱を目指して加工中。
これは「丸柱(まるばしら)」と呼ばれ、その加工はとても難しく、手間がかかります。
まずは見慣れた四角柱に加工し、その後八角、十二角柱と徐々に角を落とし、最後には綺麗な円形の柱へと加工していきます。
もちろんその都度、切断する角度を計算したり、材木に墨で印を付けたりと、こなすべき工程は数知れず……。
接合部は伝統の技「木組み」で加工
材木同士を組み立てる際、よく知られているのは「釘」を打ち込み固定するという方法ですが、3年生が制作中の社殿など、伝統建築物のほとんどは、あまり釘を使いません。
基本的に、接合部分を凸凹に加工し、まるでパズルのようにそれらをかみ合わせることで接合します。
釘のように、錆びて劣化してしまうことがないこの工法は、その強度の高さから、法隆寺など多くの伝統建築物で使用されています。
ですがこれも、とても難しい技術。
互いの凸凹の大きさが少しでも違えば、しっかりとはめ込めませんから、何度も調整を繰り返しながら慎重に行います。
仲間と協力して……
小さめとはいえ、制作にあたっては仲間との協力が不可欠!
それぞれの役割をこなしつつ、互いに自身の作業について相談したり、接合部の部材を支え合ったりと協力して日々の作業を進めています。
次回へつづく!!
